前回の話
無事に特待生入試を終え、準A特待での合格を決めたKatz。
高校で待っていたのは、これまでとは全く違う、バスケ漬けの毎日だった。
入学。バスケ部。超下手くそ。
無事に高校に入学した。
知っている先輩や同級生もいたが、
ほとんどが知らない人だ。
特待生と言っても、僕は下から数えた方が早かった。
それくらい周りはバスケが上手かった。
「1年のうちは試合に出れないな・・・
もしかしたら3年間出れないかも・・・」
そんな気さえしていた。
案の定、3年生が夏に引退して(冬まで残る人もいる)、
代が変わっても、試合に出ることさえなかった。
でも、もともと僕は人よりちょっとバスケができる程度だったのだ。
中学のときにクラブチームでコテンパンにされたこともあった。
バスケが嫌になる。
でも逃げ出せない。
中学の時に大人から受けた言葉を思い出していた。
「お前のすごいところは努力ができるところだ。」
「絶対にやめるんじゃない。」
今のままではだめだ。
そう思い、一人自主練習に励むのだった。
試合に出れない。結局ダメなのか・・・
冬が終わり、3年生が全員引退して、最初の大会。
そこでも僕は試合に出ることはなかった。
それどころか、ユニフォームをもらうことさえなかった。
悔しかった。
でも、練習するしかない。
「自分はバスケ部でも一応一番頭がいいのだ。
なら考えよう。どうすればうまくなるのか。」
自主練習の成果もあり、技術はかなり上達していた。
体力も負けてない。
でも、試合では活躍できなかった。
これは、試合に近い形で練習ができていないからだ。
そう思い、自主練習の質を上げた。
気づけば1年生が終わりになろうとしていた…。
つかんだチャンス。変わる流れ。
1年生も終わりに差し掛かったころ、
練習試合でその時はきた。
「おい、残り3分。ちょっと出てみろ。」
監督の気まぐれかわからないが、
チャンスがきた。
待ち望んだチャンスだった。
結果、3分の出場で12点。
「よくやった。」
監督に印象を残した。
誰よりも声をだし、誰よりも練習していた。
そして、5月。
初めてユニフォームをもらうことができた。
これ以上ないほどの喜びだった。
その後は、コンスタントに試合でも使われ、
関東大会でもベンチに入ることができた。
試合に出ることこそなかったが、
チームの中でも下手くそだった僕が、
ずっとベンチに入ることができたのだ。
そして、夏が終わり、チームは新体制となった。
キャプテンの発表があったとき、
僕は驚愕した。
ゲームキャプテン。スターティングメンバー。
「今年はキャプテンは2人!」
僕はゲームキャプテンに任命された。
メインキャプテンの方は、試合にはほとんど出なかった。
実質、僕がキャプテンだった。
チームで誰よりも下手くそだったやつが、
キャプテンになってしまったのだ。
「考えて練習してよかった。」
ゲームキャプテンになりレギュラーに定着してから安定した結果を出すことができた。
県の決勝では結局1度も勝つことができなかったが、
関東大会に出場することはできた。
決勝で35点取ったこともあった。
優秀選手にも選ばれた。
関東大会8位の成績を収めることが出来た。
全てが僕にとっては初めての経験だ。
季節は過ぎ、引退のかかったインターハイ予選。
例年通り、決勝は同じカードだ。
結果は2位。準優勝。
優勝した高校はその年の関東大会を制して、全国4位
そんなチームだった。
これで、引退。
バスケは冬まで試合があるが、受験があるため残るかどうかは人それぞれだ。
僕はどうしても本気になれなかった。
バスケを続けるより受験勉強をする道を選んだ。
スタメンで残らなかったのは僕だけだった。
でも後悔はなかった。
(結局、大人になって出てくるのだが…)
受験勉強しよう。
そう決めた。
そして、僕の受験という勝負が3年の7月になってようやく始まるのだった。
・・・続く。
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